当施設の島袋誠守副所長による論文が、がん専門誌「癌と化学療法」2022年10月号に掲載されました。
本論文は、当施設のWT1ペプチド樹状細胞ワクチン療法(1,174症例)※1および、リキッドバイオプシーによるがん遺伝子解析検査(99例)※2の実績をもとに、膵臓がんに対する樹状細胞ワクチン療法の現状と今後の展望について解説。
現状では、臨床データの検討から、
樹状細胞ワクチン療法(DC療法)により各種免疫機能が増強すること、
リキッドバイオプシーによりがんDNA(ctDNA)を経時的に測定することで、早期にがんの変異・進行をとらえることができる可能性が示唆されました。
今後の膵臓がんに対する治療展望では、
免疫チェックポイント阻害剤(薬)やCAR-T療法などとDC療法を併用する「複合的免疫療法」や 免疫状態の維持と治療効果を高めることを目標に、標準治療に先んじてDC療法を行う「複合的がん治療」について言及しています。
※1 当施設の樹状細胞ワクチン療法実績(2010年4月~2022年4月時点)
疾患名 | DC療法 |
---|---|
膵がん | 274 |
大腸がん | 164 |
肺がん | 119 |
胃がん | 85 |
頭頸部がん | 77 |
乳がん | 68 |
卵巣がん | 50 |
子宮がん | 47 |
胆管がん | 43 |
食道がん | 42 |
前立腺がん | 35 |
肉腫 | 24 |
肝臓がん | 21 |
胆のうがん | 19 |
膀胱がん | 17 |
重複がん | 17 |
悪性黒色腫 | 14 |
原発不明がん | 11 |
腎臓がん | 10 |
小腸がん | 8 |
尿管がん | 7 |
甲状腺がん | 6 |
その他 | 16 |
計 | 1174 |
※2 リキッドバイオプシー検査解析がん種
解析がん種 肺がん(NSCLC)17 例、すい臓がん 14例、乳がん 12例、胃がん 12例
大腸がん 10例、胆道がん 6例、子宮体がん 4例、卵巣がん・腹膜がん4例、 頭頸部がん 3例、その他 17例
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【 論文概要 】